新潟県十日町にある「光の館」へ宿泊してきました。
「光の館」は現代美術家ジェームズ・タレルが、谷崎潤一郎の『陰翳礼讃』に 影響を受けてつくった芸術作品、兼、宿泊施設なのです。 照明はすべてタレルライトと呼ばれる、タレル本人が指定した明度に設定されていて 若干暗めな明かりが建物の隅々に何とも言えない陰影をつくっています。 その美しさもさることながら何と言っても驚いてしまうのが 天井が真四角に切り取られていてそこから空がそのまま覗くという仕掛けです。 この部屋の天井がそうなっています。 普段はこのように屋根が真四角を覆っています。 部屋の中にあるコントロールパネルのボタンを操作すると屋根がスライドします。 ずんずんスライドして空が現れました。 ちなみにガラスも何もはめ込まれておらずそのまま空なので 雨や雪がすこしでも降っていると開けられません。 この日はとても天気がよかったので、安心して屋根の開閉ができました。 宿泊すると自由に何度でも開閉できるので、 寝転がってただひたすらに空を眺めて過ごしました。 10人は余裕で泊まれるという施設なのにこの日は誰とも予約がかぶらず 私と夫の貸し切り状態という贅沢さ。 利用料はそのぶんかなり高くついたのですが誰に気兼ねすること無く とてものんびりと過ごすことができました。 だんだんと日が暮れて行き あまりの気持ちよさに20分ほど意識を失って(居眠り)気付くと夜になっていました。 外に出てみると満点の星空。久しくそんな星空を見ていなかったので あまりの星の多さにびっくりしました。 一眠りして、せっかくなので夜明けの空の移り変わりも観察。 だんだん 空の色が薄くなっていきます。 渡り廊下から、朝日が昇るのも眺めました。 元旦の初日の出を拝んでいるような錯覚に陥ります。 こんな早起きは何年ぶりだろうと感動しているとすぐに睡魔に襲われ… 気がつくとチェックアウトの時間に。 見るたびに空が変化していて本当におもしろいです。 飛行機や飛行機雲や鳥の姿も。 現代美術がどうだとかはよくわかりませんが、 空は本当に美しくて素晴らしく、それは誰にでもわかることなのでいいなあと 馬鹿みたいなことを思います。 外で広い広い空を眺めるのもいいけれど、四角く切り取られた空もいいものです。 室内でぬくぬくと大っぴらに寝転がりながらただひたすらに空を眺められることなんて 私のこの先の人生にそうそうあることではないのでは?と思いつつ 貴重な時間を過ごしました。 暖かくなったら屋上に寝転がって底を切り取った段ボールから空を眺めてみようかと 思います。即席、光の館。いまいちな予感がプンプンしますが…。 新潟は雪がまだまだ何メートルも積もっていました。
by kashiwabaram
| 2008-03-14 01:03
| おでかけ
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