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とどのつまりは「松葉」の話

先日、池袋のジュンク堂で行われた
赤瀬川原平さんと嵐山光三郎さんのトークイベントに参加した。

赤瀬川さんは、画家であり作家であり芸術家でありもういろんなことに精通している
路上観察界の最高峰。
千円札を模写した作品が通貨模造と見なされたという「芸術裁判」でも有名な方。

下の写真は赤瀬川さんがおっしゃっていた「風のレコード」未完成バージョン。
ツタなどのトタンに垂れ下がった木が風に吹かれてトタンの壁に渦を描きレコードのように見えるというもの。写真のは半円にもなっていない。もっときれいな円のがあるんだって。
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嵐山さんは実は私はこれまで知らなかったのだけれど『別冊太陽』や『太陽』の編集長を
されて、エッセイを書いたりテレビにもよく出ている方だそう。

そんなお二人のトークイベントは、私でもわかりやすい内容でとてもおもしろかった。
だいたいが、『楢山節考』を書いた深沢七郎さんのお話だった。
(『楢山節考』は姥捨山をテーマにした小説)
深沢さんは「人生滅亡教」だったとか「電柱で風呂を湧かしていた」とか
「出版社から送られて来た本などみんな封も切らずに燃やしていた」とか
「生きている内に葬式の予行練習をした」とか
「まずいものを教えてくれる、悪意の善意の人だった」とか
「庭に生えている梅の木が生意気だと言って切った」とか・・・etc.

そんな深沢さんの書かれた『楢山節考』を嵐山さんは今もレコードを聴くように
何度も読まれているそうで、『楢山節考』に限らず多くの本は(何年も経って)読み
返すといかに誤読していたかがわかるとおっしゃっていた。
誤読とまではいかずとも違った見方ができたり気づかなかったことに気づけるとも。

それは本当にその通りで、マンガでもそうだなあと思う。
で、最近小学生のとき以来に藤子不二雄Aさんの『まんが道』を読み返していた。
当時もおもしろいなあと思って読んでいたけれど話の内容より作中に出てくる
メンチカツを挟んだフランスパンやキャベツのみそ汁やラーメンが美味しそう!
という記憶の方が大きい(今もキャベツのみそ汁をつくるとこのマンガを思い出す)。

でも今読み返すとまた全然違っていて、トキワ荘が現在の家から自転車ですぐのところだということも判明。
残念ながらトキワ荘は今はないけれど、CM料もらってる?と思うくらい作中によく登場する「松葉」というラーメン屋は現在も営業しているということがわかった。

と、いうことで『まんが道』熱に乗じて「松葉」に行って来た。
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by kashiwabaram | 2007-05-06 01:27 | おでかけ


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